猫の下痢は何日続いたら病院?軟便で受診するべき症状とタイミングを獣医師が詳しく解説

猫の下痢は何日続いたら病院?軟便で受診するべき症状とタイミングを獣医師が詳しく解説

猫のうんちはコロコロなイメージがあると思いますが、猫も軟便や下痢などのうんちトラブルはつきものです。

正常な猫のうんちは形がしっかりあり、持ち上げても崩れない硬さです。それよりも水分が多くなったものを下痢と定義しています。下痢の中には、液状までいかない軟便と、完全に液状の便(液状便、水様便、泥状便)が含まれます。

今回は、下痢で動物病院を受診するタイミングについて解説します。

猫の下痢が何日続いたら動物病院に行くべき?

猫の下痢が何日続いたら動物病院に行くべき?

下痢が起きたらどれくらい様子を見ても良いのでしょうか?その目安はありません。なるべく早く動物病院に受診してください。

下痢の原因は、主にストレス、食事、疾患ですが、その多くが疾患によるものであり、体力のない子猫や老猫にとっては命にかかわるものでもあります。

ストレス

環境の変化(引っ越し、季節の変わり目、来客など)により、一時的にストレスがかかります。すると、免疫力の低下により腸内細菌のバランスが崩れるため、下痢を起こしやすくなります。そのようなタイミングで下痢をした場合、猫のストレスに配慮すると便が改善します。

食事

フードの種類を変更したタイミングや、特定の原料が入ったフードに変えた時に下痢を起こす場合、食物アレルギーの可能性があります。また、開封してから時間が経っているフードは劣化しているため、下痢の原因になります。

また、猫は人間用の牛乳に含まれている乳糖を分解できません。人用の牛乳を与えている場合も下痢を引き起こします。

食事に関連した下痢の場合、フードを戻すと治まることがあります。腸管内のアレルギー反応が治まるまでに2週間ほどかかることもあります。やみくもにフードを変えたりすると、診断が困難になるので、動物病院で体質に合ったフードを選んでもらいましょう。

疾患

下痢の原因の多くは疾患によるものです。主な疾患として、寄生虫症、ウイルス感染症、腎臓病、免疫不全症、腫瘍性疾患、炎症性疾患があげられます。疾患による下痢は自然に治ることは少なく、治療をしなければ脱水や栄養失調で亡くなることもあります。特に、抵抗力の弱い子猫やシニア猫が下痢を起こすとすぐに命にかかわってしまいます。

疾患による下痢の場合、下痢以外に嘔吐、食欲不振、削痩、元気消失、痛みなど、他の症状が出現することが多いです。下痢以外にも症状がある場合、すぐに動物病院にかかるようにしましょう。

猫の長く続く下痢の原因は?

猫の長く続く下痢の原因は?

ストレスや食事に関連する下痢の場合、原因が取り除かれればすぐに良くなることが非常に多いです。長く続く下痢の場合、疾患による下痢の可能性があります。また、食事による下痢でも、体質に合わなければ下痢を繰り返します。

下痢が続く場合、必ず動物病院を受診してください。その際、新鮮な便があると、すぐに便中の寄生虫や細菌、ウイルス検査を行うことができます。普段食べているフードの情報も、必ず獣医師に伝えましょう。また、ワクチン接種歴も重要です。特にワクチンに含まれているパルボウイルスは、感染すると致死率が非常に高く、感染力も非常に高い感染症です。迅速に治療を開始しないと亡くなってしまいます。

高齢猫の場合、腫瘍性の下痢や慢性腎臓病で水分調整がうまくできないことによる下痢が多くなります。これらの疾患の場合、下痢以外に食欲不振、嘔吐、削痩などの症状が出現します。早く治療を開始することで、一緒にいられる時間を延ばすことができます。長引く下痢は、一日でも早く動物病院を受診しましょう。

猫の下痢を止める方法

猫の下痢を止める方法

下痢の原因によって、下痢の治療は変わってきます。下痢止めで止めることもありますが、通常しっかりと診断し、原因を治療することで下痢を止めます。

例えば、寄生虫や細菌が原因であれば駆虫薬や抗生剤を使用します。食事が原因であれば、フードを変更することで改善します。

腸炎などの場合は、整腸剤を使用したり、ステロイド剤を使用することがあります。腫瘍が原因であれば、手術や抗がん剤治療を行います。

市販薬でペット用の下痢止めが売られていて、服用すると一時的に下痢が治まることはありますが、原因疾患は治療できないことを覚えておきましょう。

猫が下痢した時の食事は?絶食させていいの?

猫が下痢した時の食事は?絶食させていいの?

犬の場合、下痢をすると食事を抜いて腸を休ませることで、下痢が止まることがあります。しかし、猫は絶食に弱く、食事を摂らないと肝臓に負担をかけてしまいます。

特に肥満猫の場合、肝リピドーシスという肝臓の病気になってしまうため、わざわざ絶食させないようにしましょう。また、下痢だけでなく食欲がないのは危険信号です。すぐに動物病院を受診しましょう。

下痢をしているときに大量の食事を一度に与えると、腸への負担が高くなってしまいます。消化しやすいタイプの食事を、少量頻回に分けて与えましょう。また、下痢の時は水分を失いやすいため、ウェットフードやふやかしフードにするのも良いでしょう。

まとめ

まとめ

猫の下痢は疾患によるものが多いため、猫が下痢をしたら様子を見たり素人判断をせず、必ず動物病院を受診してください。

特に子猫や高齢猫の場合、下痢で体力を消耗してしまいます。早期発見・早期治療が下痢を早く治すポイントです。


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